患者さまの笑顔を見たい!!
笑顔になっていただける
診療をおこなうために

  昔と違い現在は、患者さまご自身が、この診療所や病院なら大丈夫だと、安心し信頼の置ける医療機関を選んでいます。眼科も同じです。歯医者・目医者は、医者ではないと以前は言われていました。生命に直接関わることが少ないためであると考えられますが、しかし、命に関わることのある全身病の一つとして、眼症状から様々な疾患(糖尿病・動脈硬化・高血圧など)がみつかることも多いのです。様々な眼病をいかに診断し、治療できるかが重要なのです。
 

そのためには、病気の診断・治療に関する知識や、どのような方法で治療をおこなうかの的確な判断が求められます。また、たとえば赤ちゃんの鼻涙管閉塞症を治療するためのブジーという手術などにおいては、正確な手技が必要です。眼科医自身が、常に最善の治療をおこなうための勉強を続け、腕を磨く努力を怠らなければ、患者さまから信頼していただける「良い眼科医」になれるはずです。

  感謝という元気グスリ  

患者さまが、眼科に求めていることは何なのか、それは、基本的には、内科などの他科の医療機関に求めていることと同じことでしょう。これまでの医療現場の多くは、医療機関中心で、病院・医院のドクターやスタッフの都合などで、患者さまがそれに合わせる診察がほとんどです。今後の医療現場は、もっと患者さまのニーズに応えるものとなるべきです。私が考える理想の患者さまと医療機関の関係は、次のとおりです。
患者さま>スタッフ≧院長を含むドクター
 この関係が成り立つ医療現場では、新聞で報道されるような医療事故の発生率も限りなくゼロに近くなるはずです。患者さまから診察代としてお金をいただく以上、患者さまに携わるすべてのスタッフ・ドクターが、プロ意識のもと、最高の素敵な笑顔で、おひとりおひとりの患者さまに接することが必要でしょう。目が痛い・見えないといった患者さまの不安な気持ちに対して、スタッフやドクターからの笑顔のプレゼントは、どれだけ心理的な治癒効果が期待できるか計り知れません

 開業当初、当院では、患者さまをお呼びするのに、「○○さん」とさん付けでした。けれども、「○○さん」という呼び方では、受付・検査・診察・処置等の医療空間の中で結果として患者さまが弱い立場におかれてしまうと感じるようになりました。そこで、開院1年後から、「○○さま」とお呼びするさま付けスタイルを始めました。当初は、私も含め、さん付けの医療現場で慣れていたスタッフはぎこちなかったのですが、今ではそれが当然のことになっています。「○○さま」とお呼びするだけで、自然と患者さまを尊重する気持ちが生まれます。スタッフからも「市役所や郵便局に行くと、○○さんって呼ばれますが、なんとなく大切に扱われていない感じがします。呼び方だけでも全然違うのですね。」といった話を時々耳にします。最高のサービスを提供し続けていきたいと願う私の気持ちを、スタッフが良く理解し実行しています。

 ここは、先生も優しくて良い先生ですが、皆さんが優しいので、目の病気で困っている知人にここを紹介しているのよ。」と患者さまが言っておられたと、スタッフから聞くことがあります。院長として、なにより嬉しいのが、一緒に働いているスタッフへの高評価です。評価され感謝されたスタッフは、さらに良い医療を提供するための励みになる元気グスリを患者さまから頂いているのだと思います。




  眼科に求められるものとは  

 患者さまが眼科に求めておられるのは、

1、医療サービスの向上。
2、信頼のおける医療機関であること。
3、スタッフやドクターの最高の笑顔。

であると考えます。 
  そして、上の3つが実現されている医療現場では、状況に応じて、患者さまの笑顔が見られるのではないでしょうか。患者さまの笑顔は、それに値する心暖かいサービスの提供を受けて、病気が治癒していく過程で発生するものではないでしょうか。より良いサービスは、普段から向上心を持ち続け、たゆまぬ努力をおこなうことで提供できるのでしょう。


 当院では、基本的な接遇をしっかりと身につけるため、毎朝、朝礼をおこなっています。さらに、月に一度スタッフ全員参加のミーティングを開いて、診療の過程で発生する問題点の解決策の検討会や目の疾患の勉強会をおこなって、スタッフもドクターもより良い医療を提供するために進歩していこうと努力しています。

 網膜硝子体疾患の患者さまの多くは、視力予後が不良な事が多く、患者さまからの笑顔を見られる機会は少ないのですが、時には、糖尿病網膜症の患者さまでも笑顔が見られます。レーザー光凝固療法をおこなう場合には、その治療の必要性をきちんと説明し、十分なインフォームド・コンセントをおこなって、今後の経過等を理解していただいてから治療を開始します。月に何回かのレーザー治療通院は、患者さまご自身の努力も必要となります。レーザー治療によって増殖性変化が沈静化したのちも、定期的に診察を受けていただき、経過を観察することが必要です。それでも、レーザー治療後の病状説明で「今のところは、落ち着いていますから心配ないでしょう。」とお話しすると、患者さまは、笑顔で「あーよかったぁ。先生にそう言ってもらうと安心や。」と言ってくださり、その後も必ず定期検査を受けてくださっています。
 レーザー治療に至るまでの過程で、主治医である私だけでなくナースや受付のスタッフも、「今のうちにレーザー治療を受けておけば、まず失明することはないのですよ。仕事が忙しくてレーザー治療にも通院できないとおっしゃられますが・・・・。頑張って一緒に治していきましょうよ!」と治療の必要性を何度も説明しましたある患者さまは、今では、糖尿病網膜症の中でも優等生の患者さまのおひとりになっておられます。

 「患者さまの笑顔が見たい!!」常にその思いで、私は日々の診療に取り組んでおります。診療に携わるスタッフみんなも、同じ気持ちで患者さまに接しているのだと思います。
 スタッフみんなの笑顔が、病気で苦しんでおられる患者さまの心に灯り、患者さまのステキな笑顔を生む大きな光になることを信じています。

 


 

 

 

   

  「